妻と二人で「メリークリスマス」

見蘭牛

2022-12-24
MYZ(AYSA 西部部会会員)

 妻が、突然、明日のクリスマスは「すき焼きよ!」と。「えー、ローストチキンじゃないの?」と返した。「お肉でいいのが手に入ったの」と。それは、妻が保有している株式の株主優待から秘かにそのお肉を選んだらしい。
 「見蘭牛」(KENRANGYU 萩の「みどりや」)とのこと。それをインターネットで調べると「幻の見島牛の血統」とある。日
本各地には著名なブランド牛があり、いくつかは食したことはあるが、このお肉は初めてである。
 又「すき焼き」も何年か振りである。改めて「すき焼きの」食しかたを調べた。まず、鍋に牛脂とサラダ油をいれ、鍋にしみこんだところで、白長ネギとタマネギを少し焦げるぐらいに炒め、調合してある「割下」を入れる。その状態で数枚のお肉をいれて、表裏の色が変わるくらいでお肉をとり、生卵を落としたお椀にいれて食べる。これがいいお肉を使う時の最初の食べ方らしい。その後は、好みに応じて春菊、シイタケ、糸こんにゃくや揚げ豆腐、を煮込み、適度に割下を調合しながら食べる。最後におうどんをいれる。お肉のうま味が加わり、おうどんも美味しく頂ける。

すき焼き


 ところで、「すき焼き」で思い出したが、以前、池波正太郎著の「男の作法」を読んだ中に「たまにはうんといい肉で、ぜいたくなことをやってみないと、本当のすき焼きのおいしさとか、肉のうま味というのが味わえない」と述べている。そして「いい肉を使うか、安い肉を使うかで、すき焼きの作り方は違ってくる」とも。彼は、「いい肉を使ってやるときは割下を先に作り、それを鍋に少し入れて、それがバーッと沸騰してきたら肉を入れて、ちょっと一呼吸をして一度裏返して、さっと火が通ったかどうかの感じで食べるのだよ。そうすると肉のエキスが鍋にまじってくる。また注ぎ足して、具合がよくなってきたら野菜を入れるのだけれども、僕はねぎだけです」とも言っている。池波正太郎は 「剣客商売」等の歴史 時代 小説はもちろんであるが、 「食通」(東京食べ歩き 名店 )でも 名が知れており、彼の言 に は間違いないだろう。
 一方、クリスマスで思い出したのは、若い頃はいろんなイベント (クリスマスパーティ) を楽しんだが、その中で、やはり、家族との食事 もその一つであろう 。埼玉に家族 4 人で住んでいたころは、必ず妻が「ローストチキン」を焼いてくれていた。これで、ビールを 「グイ 」と一気に 飲むのが至福のときだった。今思えば、 それが 明日への糧にもなっていたのだろう。 「 すき焼き 」 で 、今でも懐かしく思い出すのは、 「浅草の今半」である。息子が 、 社会人になって 初めて、家族 全員 5 人、 私の養母が亡くな り 義父 を元気づけるため )「浅草今半」で 「すき焼き」と「しゃぶしゃぶ」を ご馳走してくれた。ここも、いいお肉を出してくれる。 息子も それなり 奮発したと 思う。 こんな思い出話を妻と語りながら「shortcake and coffee」で、 今年のクリスマスはゆっくりと過ぎていった。(完)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です