テーマ「日露戦争にみる通信事始め」

2025-5-22(進行/記録 AYSA西部部会会員 MYZ)

山口宇部空港 バラ園2025.5.14

1.日 時:R7(2025).5.22(木) pm1:30~pm3:40
2.場 所: 宇部市民活動センター2階会議室
3.出席者:HYS,ASD,USI,KNK,KTM,SMI,TSM,MYZ,MRN ほか市民(1名)(合計10名)

セミナー

テーマ「日露戦争にみる通信事始め」

講演者:HYS氏(AYSA西部部会会員)

講師のHYS会員

概要

セミナーの様子

 日本の通信事始めを「坂の上の雲」(司馬遼太郎)から紐解く通信電伝達方法。19世紀後半から世界の列強に追い付く、追い越せの新生日本。そこには通信技術に関するいくつもの大きな発明、技術進歩がなされた。

事例として ⅰ)鳥羽・伏見の戦い ⅱ)岩倉使節団 ⅲ)明治新国家の「日本国有鉄道」「日本電信電話公社」「逓信省」の設立 ⅳ)日本の文明開化「電信」(国際通信の幕開) ⅴ)児玉ケーブル(児玉延太郎) ⅵ)電話の始まり(無線通信) ⅶ)日清・日露戦争について(多くの失敗の後の数々の成功事例 奉天会戦、日本海海戦 戦艦三笠) ⅷ)近世、現代の情報伝達競争(外部に知られることなく、早く、確実に。かつ安価に情報を伝達する。それは 戦争、金融、外交、貿易、災害、故障等の世界の様々な各情報を)

感想

  通信手段は驚くべき進化を遂げてきている。今回は、そのきっかけとなった戦争における情報戦略をベースにその過程をお話し頂いた。

 過去の歴史の中(この度は戦争)でこの情報がいかに早くかつ有効に活用されたか。それが大事な分岐点となっていること。学ぶことが多くあった。会員の方々も今回の紐解きの「坂の上の雲」を読まれた方も多く、関心の高いお話しで活発な意見交換がなされた。

 今日の情報技術開発は“ドッグイヤー”と呼ばれハード、ソフト面での開発競争は熾烈なものがある。米中の情報戦争は世界の安全保障をも脅かす事態となってきている。その情報の真偽、価値そして支配されるかもしれない人類の未来を考えると、そのスタートは百数十年前の戦争の歴史から始まっていた。今回のテーマのジャンルは講師にとって初めての挑戦。大変興味ある切り口から取り上げ、詳細にご説明頂き。会員の理解も深まった。この度の講師のリサーチ力と資料作成及び卓話に多謝。

テーマ「日露戦争にみる通信事始め」」への7件のフィードバック

  1. HYS 返信

    USIさま 過分なご感想と、貴重なコメントを頂き、恐縮しております。
    私は、物理、電子、量子、光子等に関する理解を全く持っておりません。 通信技術の進歩をたどりながら、理解を深め、その発展の歴史の中に私の主観を入れていければ、理想的だろうと思います。
    「関心あれど能力なし」が現状です。 ただ関心を持つことが、少しずつでも続けることが、即ちチャレンジこそが人生だろうとは思っています。 次回(来年)は光ファイバー、国際間の情報通信の大半を受け持つ海底通信あたりを学んでみたいと考えています。

  2. HYS 返信

    KNKさま コメントをお寄せ頂き、お礼申し上げます。
    私は量子コンピュータに関心はありますが、量子を語る能力はありません。
    通信技術の発達に合わせ、理解、興味の持てる範囲で、今後も学んでいこうと思います。

    • knk 返信

      勿論私も科学は素人レベルですが、歴史と絡めてまとめられた事が素晴らしいと思いました。
      素人向けでも、科学を分かりやすくまとめたコンテンツが、溢れているので、自分なりに理解をして行きたいと思います。

      量子力学などと言った超専門知識は私の頭では理解不能でしょう(笑)。

  3. USI 返信

    HYS 様へ

    この度のセミナーは、HYS様の歴史観に則って、膨大な資料を纏められた力作で会ったと思います。歴史について述べることは、史実と、歴史も表舞台からは隠された詳細な事柄、加えてプレゼンターの主観を加えて、魅力的なお話になると思われます。セミナーの中でも時間的な制約で、興味ある詳細を省略せざるを得ない部分が多々あり、もっと時間があればそれらをお伺いしたいと強く思いました。

    自然科学と先端技術の発達と、迫り来る戦争とのギリギリの競争で勝敗が決して行くお話は、緊迫感があり興味深かったです。次回は近未来の情報伝達、IT技術の展開などについて、纏められるとのアナウンスがありましたが、HYS様の次回プレゼンに期待しています。
    (量子コンピュータの話をしようとすると、どうしても量子力学の考え方が必要となります)
    (USI)

  4. knk 返信

    誰から教わった訳ではなく、思いついた事があります。

    通信といえば(アナログ通信は別として)、昔から未だに本質は変わらず「点と滅」の二つの状態を組み合わせたパターンに記号的な意味を定義して使っているように思います。ただ物凄く小さく緻密かつ高速になっているだけです。

    ノロシの煙の長短から始まって、モールス信号、コンピュータの0と1の組み合わせパターンによる2進法。光通信でもファイバーケーブルのはじっこを光が高速で点滅しているのを見た事があります。

    近いうち実用化すると言われる、量子コンピューターも本質は同じなのでしょうか?
    0と1に加え、両方の性質を重ね合わせた状態という感覚的には理解できない要素を利用すると言われています。

    私見間違っているでしょうか?

    また余談ですが、YouTubeの番組によると、確か30年代頃になると、AIや量子コンピューターが実用化され、毎日のように、新発見が相次いで、科学技術が爆発的な発展を迎える、という意見を聞きました。私は生きているかはわかりませんが、夢のある話です。

  5. HYS 返信

    MYZさま 過分なご感想を頂き、恐縮しています。
    私は司馬遼太郎と宮城谷昌光(古代中国、特に殷、周、春秋、戦国時代と三国時代) 両氏の作品が好きで、折ある時に、繰り返し読んでいます。
    また今、関心を持っていますのはAIです。 AIの進歩で、人類の抱える数多くの課題を解決して欲しいと願いながら、進歩を見守っています。 技術の詳細は全く分かりませんが、表面的な発表にはいつも驚かされます。 DX、AIに深く関係します通信についても表面的な事しか理解できません。
    本会のメンバーの中には物理、電子、量子に詳しいメンバーも居られます。 無知な私が説明するのは不適当かと思いますが表面的な事だけでも学びながら、今後もお話できれば幸いです。

  6. myz 返信

    HYSさんへ 「日露戦争にみる通信事始め」大変興味あるお話しでした。日本の明治維新を成し遂げた後の欧米に如何に追いつき、かつ追い越す。岩倉使節団から始まり日露戦争へと、その折の重要な役割を果たした通信技術の進展がよく理解できました。歴史を学ぶのは面白いですね。一方その後の日本はその通信(電信・有線・無線)技術開発競争で大きな失敗(太平洋戦争)も重ねたのでしょう。今日の通信技術のパラダイムシフト(デジタル世界)、私達の想像を絶するような世界が迫ってきている。最近は肌でそんな時代の到来を感じています。まさしく現在開催されている大阪・関西万博のキーワード
    Society 5.0 (仮想空間と現実空間)に予想を上回る観客動員を誘引している。やはり私達の未来はどのようになるのだろうということを経験してみたい。今回のお話しをお聞きしながらその歴史を理解しつつ、通信技術開発競争の優劣が世界を支配する。そのベースとなるお話しにより理解を深めることが出来ました。(MYZ)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です