2025年度第2回「こころを語る会」が実施: 物語を通じてレジリエンスを引き出す

2025-10-1(AYSA西部部会会員 USI)

こころを語る会

うべ環境コミュニティー主催、AYSA西部部会協賛の2025年度第2回「こころを語る会」が実施されました。

 うべ環境コミュニティーでは、「こころ」に関連するテーマについて、多様な年代、価値観、背景を持つ参加者が本音で語り合う会を開催しています。前回(2025年7月)開催の第1回「こころを語る会」の実績を踏まえて、今回は「物語を通じてレジリエンスを引き出す」ことを目的としました。 

 前半では、物語の作者(薄井)が、創作の楽しさ、人に伝えたいことなどを語り、レジリエンスに関する書籍の書評を読み合わせる会を持ちました。この中から、参加者同士でレジリエンスに関する意見交換会を行いました。

 後半では三島コーディネーターが「物語と心理学」についてのワークを実施しました。参加者が持参した写真や、会場に用意した写真・絵のカードを基にして、参加者それぞれが物語を創作して発表しました。

 上記のようなワークを通じて、参加者各自がレジリエンス向上に対する気付きや意識の高まりが自覚できるようになることを、目的としました。

 以下はその概要です。

開催日時 令和7年9月20日(土) 13:30~16:00
場所   宇部フロンティア大学 臨床心理学実習室
コーディネーターは薄井 洋基 (宇部環境コミュニティー理事)と 三島 瑞穂 (宇部フロンティア大学准教授)が務めました。

参加者
今回は秋の飛び石連休の初日で、各種行事とバッティングしたため、リピーターの何名かが都合が悪くなったため、参加者が減少しました。また、今回は高校生の参加者が集まりませんでした。それでも新規の参加者も増えて、最終的に大学生1名、社会人4名、シニア層6名、大学関係者2名の合計13名が参加し、色々な年齢層の方の対話を進めることが出来ました。

プログラム
13:30~13:40 オープニング(三島)
13:40~14:30 物語創作の楽しさとレジリエンス(薄井)
14:30~14:40 休憩と準備
14:40~16:00 物語創作のワーク (三島)
16:00~16:05 エンディング 薄井・三島

各セッションの記録

1.物語創作の楽しさとレジリエンス(薄井)

  1. 物語を創作する際に、最も大きいドライビングフォースは「自分の思いを人に伝えたい」ということです。また、物語創作の楽しさは、登場人物のネーミングや、プロットを自由に設定することです。登場人物のイメージを大切にしながら、物語を語っていくと、思い掛けない新たな展開を着想することが、多々あります。
  2. 今回は、「臨床心理学教室のパンプキンさん」(薄井洋基著 22世紀アート出版社 2023)を題材にして、最近出版された「不撓不屈」(22世紀アート出版社 2025)に収録された「パンプキンさん」の書評とインタビューを、読書会として読み合わせました。
  3. その後、机上に置かれた書評のキーワードも参考にして、参加者からの意見と出席者同士の対話を行いました。
  4. (参加者A) 理解できないとしても、他人のことをそのまま受け入れることが大切だ。国際交流団体の活動を通して、国が違う人や言葉が違う人との交流において、理解できなくても受け止め、気持ちを開くことが大切だと体感した。←会場から、「同感です」、大きく受け止め、相手を包み込んであげましょう。
  5. (参加者B) 障害のある自分ですが、コンプレックスのあるがままに、生きてきた。暮らしの中で育む感受性が大切だと痛感している。←会場から、「自分の障害を、そのままストレートに相手に伝えれば、何のことはない、相手はすっと受け入れて何もなかったように付き合いが続くものです。トラウマ克服は、自分の中で解決してしまえば、コンプレックスの意識はあまり起こりません。ただし、心の哀しみはストレートに伝えるのは難しく、むしろ物語の創作やアート作品によって人に伝えるのが有効と思います。

2.物語創作のワーク(三島)

  • 三島コーディネーターより、物語を用いたセラピーの説明がありました。
    1. 物語の持つ心理学的な効果
    2. 物語を用いたセラピーの例(ナラティブ・セラピーや絵本セラピー)
    3. 言葉の持つちから、物語を創造するちから
  • 1枚の絵・写真から物語を創造しよう
    1. 選んだ写真や絵をじっくり観察
    2. キャラクターを決め、特徴を具体的に書き出す
    3. キャラクターの言葉、経験、運命を乗り越えるちから、等を考える
    4. 構成を考える 起承転結でも良いが、心のままに自由に展開して良い
 色々な絵や写真を基にして、物語を創作し、発表します)
  • 以上のような説明の後、参加者各自が物語の創作に取り組み、最後の約30分間で、希望した人が、自分の物語を絵や写真を示しながら発表を行いました。
     6名の参加者が、その場で創作した物語の発表を行い、参加者全体でお聞きしました。いずれも素敵な物語ばかりで、大いに盛り上がりました。詳しく書きたいところですが、著作権の関係で控えさせていただきます。もう少し詳しい内容と、会の後でいただいた参加者のアンケート結果は、以下のブログのURLをご参照ください。
    http://ubekuru.com/blog_view.php?id=6227

【次回の予定】

 本年度の最終回(第3回「こころを語る会」は2025年12月20日(土)に開催予定です。時間と場所は今回と同じです。第3回「こころを語る会」においても、第1回に実施したレジリエンスアンケートを実施します(希望者のみ)

 レジリエンス向上に関する意見交換に加えて、第3回「こころを語る会」では三島コーディネーターによる心理学ミニワークショップ(コラージュと心理学を検討中)を企画する予定です。

投稿者 USI

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です