2025年度第1回「こころを語る会」が開催:
対話などによる心の弱さからの回復

2025-8-8(AYSA西部部会会員 USI)

こころを語る会

 うべ環境コミュニティー主催で、AYSA西部部会に協賛いただいた本年度の第1回「こころを語る会」が下記の要領で開催されました。

 一般のセミナー・講演会は座学が主体であるのに対して、「こころを語る会」では、参加者同士の対話、心理学ミニワークショップの実施により、参加者が積極的に「心のしなやかさの強化」(レジリエンス、即ちネガティブな心状態からの回復力強化)を如何にして獲得するのかについて、話し合ってきました。2025年度の第1回(7月19日)では、各参加者のレジリエンスの自己理解を図りました。レジリエンスの要因に関する問いに考えることを通して、参加者が自らの強みを振り返り、レジリエンスを高める方法について心理学の観点で学んでいただきました。また、絵本と対話を通してレジリエンスを考える、こころの対話も進めました。

 第2回は9月20日(土)に開催予定で、最終回(第3回「こころを語る会」(12月20日(土))に向けて、各自で生活のなかでレジリエンスに取り組んでいただくことになりました。3回目では再度、各自がアンケートを通してレジリエンスを振り返り、その変化を話し合う予定です。

 なお、詳しい実施報告書については、宇部市の環境学習ポータルサイト「うべっくる」のブログをご覧ください。(以下のリンク)

http://ubekuru.com

http://ubekuru.com/blog_view.php?id=6212

第1回「こころを語る会」の概要

開催日時
令和7年7月19日(土) 13:30~16:00 「こころの語り場」を実施

場所
宇部フロンティア大学 臨床心理学実習室

参加者
今回は酷暑の中での開催となり、体調不良で直前に欠席者が複数名でましたが、最終的に高校生・大学生;4名、社会人4名、シニア層6名、大学関係者2名の合計16名が参加し、色々な年齢層の方の対話を進めることが出来ました。

参加費 無料

プログラム
13:30~13:40 オープニング 薄井
13:40~14:55 レジリエンスの自己理解とワーク
14:55~15:05 休憩と準備
15:05~15:55 絵本のワーク 三島
15:55~16:00 エンディング 薄井

「各セッションの記録」

1.レジリエンスの自己理解

レジリエンスの尺度(こころの物差しになる質問群)が示され、質問への回答を通して、自らのレジリエンスを振り返りました。希望者は、回答をオンラインまたは郵送でフロンティア大学三島先生に送り、その回答のレーダーチャートと、振り返りを促すための問いかけを送っていただくことになりました。現在、6名の方が希望されています。 
 ただし、今回は一般のワークショップであり、臨床の場ではないので、三島先生が個人の心の状態を評価したり、個人的な相談に乗ることはできませんのでご留意ください。また、レジリエンスの尺度だけでは、ほんの一面しか捉えることはできませんので、コメントも参加者が考えるヒントになるような問いかけになっています。

2.レジリエンスの自己理解とワーク

自分のこころの中にあるレジリエンスに気付き、それを伸ばすためのワークを実施しました。

  1. 自分と大切な人をそれぞれ円で表現するワークを通じて、人からの支えを大切なものと自覚する。
  2. 多様な価値観のリストの中で、大切にしているものは何か、絶対に譲れない大切な元は何かを、どんどんチェックしていくワークを実施しました。これらの大切なことをどのように守ってきたのか、また絶対に譲れない大切なものをどう守っていきたいのか、自分で再発見していきましょう。
  3. レジリエンスが働いた体験を、横軸は時間経過、縦軸はこころの元気さや落ち込みの程度で図に描くワーク。こころの回復に役立った要素をできるだけ沢山書き出すワーク。
  4. 好きなものを大切にする⇒宝箱の絵を見て、中に入っている私の宝物は何かをできるだけ沢山リストアップする。また、何でも体験できるチケットをもらったとき、どんなことがしたいかを答えるワーク。

3.絵本のワーク

参加者はテーブルに置かれた気になる絵本を各自、1冊選んでざっと読んでみることとしました。各テーブルの約5名でグループを作り、自分が選んだ絵本の概要を説明すました。グループ内で共通して読み合わせをする1冊の絵本を選ぶ。次に交代で2~3ページを分担して、音読する。この絵本でレジリエンスがどのように描かれているのか、あるいは感想や思いを伝え合いました。時間が十分あったので、各自が選んだ絵本についての思いや感想を披露して、それに対してグループ内でレジリエンスと絡めて対話・意見交換を行いました。

全体会での発表の時間はとれなませんでしたが、グループ内での意見の共有と、相手の言わんとすることに対する共感と理解は十分得られたと思われます。

【総括と今後の展開について】

  • レジリエンスの自己理解とワークについては、配付された資料の説明を限られた時間内での説明では、フォローするのが難しい部分がありました。参加者の皆さんはもう一度資料を読み直して、自分なりにレジリエンスの理解を深め、ホームワークに取り組んでいただきたいと思います。これによって、レジリエンスの向上が可能になると思います。
  • 絵本のワークは、各グループの中での対話を活発にする上で、大変効果があったと思います。3グループに分かれてそれぞれの絵本に関する対話が行われましたが、他グループの記録がとれなかったことは心残りです。各グループでのファシリテータをその場で指名して、記録も担当していただくのは、ぶっつけ本番では難しかったです。大学生のサポータに記録をお願いするのも酷ですし、次回からのグループ分けとファシリテータの選出には工夫が必要と考えます。絵本のワークは、大変好評でした。
  • 次回は9月20日(土)の予定です。以下の内容を考えています。
    • ★第1回「こころを語る会」のワークで提示したホームワークの効果についての対話
    • ★物語を作るワーク
    • ★物語を作るワークと関連した薄井の著作「臨床心理学教室のパンプキンさん」の書評
  • 以上、総括として、「こころを語る会」はマンネリ化を避けつつ、新しい試みを駆使して、参加者の「こころのしなやかさ」を強化することに、活動していきます。この会は、途中からの参加も歓迎します。
  • 第1回「こころを語る会」において、ファシリテータより提案していただいた次のホームワークを、私は大事にして、実践し始めています。

感謝することが、感謝している人自身の幸福感を高めます。週1回、「今日あったこと 感謝する相手に対する感謝の言葉 今の気分がどうなのか」について感謝日記をつけよう。

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