「節分」について考えてみる

2024-2-3(AYSA西部部会会員 MYZ)

手水や

 今年も南方八幡宮の「節分祭」にお参りした。私は、宇部に U ターンして20年、毎年このお祭りに参拝している。この20年という節目で改めて季節の節目でもある「節分」という行事について考えてみたい。

 もともと節分は立春、立夏、立秋、立冬の四季の分かれ目を示す言葉で、年4回あるとのこと。その中で冬から春への季節の移り変わりが新しい年を迎える一年の始まりを意味するものとして大切にされ、立春前の節分が暦の言葉として様々な行事とともに残されてきたと言われている。

 節分には神社仏閣で炒った大豆をまき、家庭でも「鬼は外、福は内」の掛け声とともに豆をまく。豆をまくのは、そもそもは鬼を追いうためではなく神仏に対する供物の意味もあったと言われている。また、地域によっては門口に鰯の頭と柊の葉を飾る風習もある。これは、鰯の臭いと柊の棘で悪疫を払う意味があると伝えられている。節分を境に翌日が立春、暦の茶摘みや苗代の籾まきの目安とされている「八十八夜」、稲の開花の時期と共に台風が来る時期でもある「二百十日」などはいずれも立春から数えた日であり、暮らしの中で節分や立春が重要な意味をもっていたようだ。

 やはり、日本の季節感を味わう行事にはそれぞれに良い意味をもって営まれてきた歴史がある。私は幼少のころから、それぞれの季節感(五節句)を味わった環境で育ってきたと、今では思う。桃の節句はよく覚えていないが、端午の節句は、庭に鯉のぼりと吹き流しを高く掲げて柏餅を頬ばりながら祝った記憶がある。(私の兄弟は男が多かったこともあるのだろう)

 この環境の中で、私は特に母の日常生活に教えられることが多かった。私の母は終戦による我が家の混乱の中で、稲作を始めざるを得なかった。稲作は(苗代作りから米の供出まで)の約半年間の段取りを頭で覚えても、それぞれの時期での肉体労働は中々難しい。隣近所の支援を受けながらの稲作暦のなかでそのことを肌身で覚えたようだ。私は、そのことをそれぞれの季節になると思い出す。

宮司や氏子代表による火入れ式の様子
どんど焼きが終わりに近づく

 ところで、南方八幡宮の「節分祭」も段々と参拝する人が少なくなってきているような気がする。私が U ターンして初めての「節分祭」には、数日前に「どんど焼き」(南方八幡宮ではこの時期に実施していた)のやぐらを組むお手伝いをしたことがあった。それは、お宮で大きく育った竹を数本切り倒して、それを組み建てる大変な作業である。確かその当時は、お宮をお世話している「壮年衆」の方々が中心だった。しかし、段々とこの地区も高齢化がすすみ、それこそ「高齢者による世話人会」(心底この地域を大事にされている方々)となり、「どんど焼き」も小規模とならざるを得なかった。(他の理由もあるらしいが)
 でも「どんど焼き」で「竹」が破裂する大きな音(パーン!パーン!) を聞いていると自分の「邪気」が取り除かれる気がする。不思議なものだ。

 その夜は、家内がよく行く美容院から頂いた「恵方巻を2巻」(毎年頂く)と尾頭付きの鰯の塩焼き2匹を食した。これも、この時期での慣習で「縁起を担ぐ」「邪気を払う」ことの意味があるのだろう。私は、鰯の塩焼きは、骨ごと食することにしている。「恵方巻」を恵方の方向(今年は東北東とのこと)を向いて食すると縁起がいいとされている。それぞれに意味があるようだが、最近は食品ロスの問題も大きく取り上げられていることは残念だ。

2013.2.3のどんど焼きの様子

 食後には、AYSAの会員であるT氏から頂いた「西岐波みかん」(T氏がお世話され、この節分祭で販売されている)を食した。程よい甘酸っぱさである。この「西岐波みかん」は、歴史は古く、近年はやはり高齢化でお世話をする人も少なくなっているようで、T 氏もそのお世話に参画されているとのこと。毎年この「節分祭」ではお店を出しておられる。ご高齢でありながら、このことを続けておられることに頭が下がる。T 氏は、様々な団体の活動もリーダーの高齢化が進み運営が難しくなっているとのこと。AYSA の活動運営も私が部会長をお引き受けして10年以上が経過、同じような課題を抱えている。

2013.2.3のどんど焼きの様子2
2013.2.3のどんど焼きの様子3

 そんな中でも、昨年私たちの活動の中で会員のK氏の支援によりホームページ「集まれ!!アクティブシニア」を開設できたことは画期的なことである。会員の様々な活動をこのホームページに投稿して頂き、シニア活動の手本となるように広げシニアの若年層の参画を促していきたいものである。

 季節の節目である「節分」の思いがAYSA運営の課題へと話が飛んでしまったが、今年も会員の皆さんと「心身とも健康」で過ごしていけたらと、この度の参拝でお願いした。(完)

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