老人の「英語多読」一年後。どうなった?

2024-1-22(AYSA西部部会会員 KNK)

中学英語学力レベルから英語の原書の多読を始めてほぼ一年後。多読と言ってもそんなに読めないし毎日と言ってもこれは努力目標。大した量ではない。それに有る程度緊張し、気楽に読める物でもない。

結果は、確かに進歩!

結果を言うと、当初と比べ明らかにすらすらと比較的英文が頭に飛び込んでくる様になった。勿論音読も滑らかに読める。間違いなく意味が分かりやすくなったし、初めて見る単語が少なくなった事は確かである。見た事がある単語がほとんどになった。ただ意味が分からない。又はぼんやり文章として何となく分かると言った程度か。この状態から全体の意味が分かっていくのではないか。初見の単語でないと言う事は、少しは覚えていると言えるからだ。

ただし、私は今まで殆ど子供の本を、英英辞典のみで読んで来た(極力使わない)。大人の本へと徐々に移行しつつあるが。

早口でまくしたてる英語のYouTubeも話者によっては文章が聞き取れる様になった。意味はまだまだだが。多種類の母音や子音など微妙な発音が多い英語は、その違いを聞き分けねばならない。日本人にはその為の右脳が発達していないので意識して聴き分ける必要がある。ヒアリングの時には特にそうである。

結果的に70歳代のこの頭脳、以前と比較し明らかに多少の進化があったと言えるのではないか。

人間の頭脳と筋肉は幾つになっても能力を伸ばす事ができるそうだ。明らかに脳細胞のニューロンのネットワークが増えてきたのではないだろうか。これにより、認知症などの予防になるなら尚更励む理由がある。

勿論脳細胞は減る一方、脳機能は放っておけば衰える一方なので、何年もかけて本を読むなどと悠長な事も言っておれない。現実的な「脳トレ」それとの戦いでもある。

先日アニメの宮崎駿さんのNHKドキュメンタリーを少し見た。最新作「君たちはどう生きるか」の制作風景。80歳?近くだろうか、ギラギラとした衰えを感じさせない姿を見た。脳内でイメージを扱う職業の人の頭脳は衰えにくいと言う。正にそれを見て感じさせた。今までは原作、脚本から絵コンテ、具体的な動き作りまで全て一人でされていたらしい。優秀なスタッフを得て、下流の仕事は任せられる事を知った。まだまだやれると言う事らしい。次回作も期待できる?

読書を始めて感じた事だが、やたら英語は字数(語数も?)が多い事である。また非常に早口で喋っているように感じる。言語学者の研究結果とは違うかも知れないが、私なりに簡略的に考えてみた。同じ意味の英文の発音をカナ書きして並べると明らかに長さが違うはず。早口にもなるはずだ。しかし多くの情報や感情を込める事もできる。一方日本語は「やまと言葉」と漢字かな混じりのお陰で、特に漢字のおかげで、短い音読みで複雑な漢字の意味を伝える事ができる。漢字様々で、正に良いとこ取りだ。またネイティブは言葉を塊(かたまり)で覚えているらしい。だからあれだけ一気に喋れるのだ。

また単語の意味を知る上で、殆どを占める抽象語には苦労する。犬などの具体語は簡単に対応可能だが、抽象語はそれぞれの発展を辿ったのだろう、別々の言語空間がある気がするし、完全には重なっていない気がする。その意味辞書を初めて作った人の苦労を思う。それゆえに、英和辞典には頼るまいと言う事だ。しかし極力と言う感じで、単語を理解するには骨が折れる。豊富な例文に慣れるしかないのだろう。たまに英和を引くと分かりやすく類語の違いが書いてあったりする。簡単な文章ならともかく、分からない箇所は無視して読み飛ばすというのはなかなか容易でない。

英英辞典はレベル別に?

因みに、英英辞典のみに頼るとすると、レベル別に数種類のものを揃える事になった。今私の使っているのは、デジタル3種類、紙のもの1種類である。それと英和・和英兼用辞典1種類だ。外国人向けの物は、説明に使う単語の種類が限定してあるが、逆に分かりにくいとも言える。ロングマンの物がそうである。ネット検索もあるがレスポンスが悪いのは当然。

別に英会話学習は必要か?

今迄「英語多読」だけ進めてきたが、何となくアウトプットである会話力がおろそかになっているのではないかと気になって来た。「読書で充分」との事だが、会話独特の言い方もある。もう少し会話の型のようなものを勉強しよう。その上で会話だ。幸い最近AIを使った英会話アプリが幾つか出て来た。利用してみた。こちらの話題が貧弱なので会話が続かないが、十分使えそうだ。

では私は何を読んできたか?

⚫ FREE eBook Library from Oxford Owl for Home

https://www.oxfordowl.co.uk/home/

オックスフォードが提供している子供の本のライブラリー。無料で読める。3歳あたりから小学生全般くらいまでの絵本を含むシンプルな本。音声付きもある。勿論イギリス英語だが、私が思うに米語だ英語だとこだわる必要なし。英・米語の違いはわずか。どちらかに習熟しても相手には通じる。可能なら両方マスターすれば良い。
辞書を使わない読書を体得するには良いと思う。第一印象として幼児がこんな難しい表現を理解するのか?と思ったものだ。

⚫ 「Who Were The Beatles?」 Geoff Edgers/ Penguin Workshop

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そろそろちゃんとした本を読みたくなったので、探していたら、有名なペンギンブックスを出しているアメリカの出版社の本であろうか、子供向けの本を見つけた。これは小学生中学年向けの英語レベルの様だ。この出版社はいわゆる偉人伝であろうか、「Who was」シリーズを出している。我々が英語力を養うには適切なシリーズのようだ。かつての日本の学習雑誌の付録程度の100ページ位の本だ。ノンフィクションであり、プレスリーやウッドストック、ニュートン、ジョブズなどバラエティーに富む。

⚫ 「THE 100 YEAR LIFE」  LINDA GRATTON & ANDREW J. SCOTT/ BLOOMSBURY

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邦題「ライフシフト」これからは、特に今の40歳以下は100歳近く生きる人が殆どになるという話だ。根拠は書いてないが、ガンや心臓病などの完全な治療法が確立されれば、絵空事とは言えないのだろう。少子化と共に皆んなが元気で長生きするとなると、あらゆるものが変わってくる。変えざるを得なくなる。若者と若々しい老人の関係、男女関係、家庭における男女の役割、学校、働き方、人生のマルチステージ化、政府の役割などなど。こちらも読んで見ようとしたが、小説と比べはるかに理解しやすいが、さすがに大人の一般向けの本、分からない単語はやや多い。これも数ヶ月かかりそうなので、一端保留して、子供英語のハリーポッターの後に読んで見たい。「ライフシフト」も購入。

⚫ 「TRACES OF TWO PASTS」(2つの過去 英語版)  FINAL FANTASY VII REMAKE スクウェアエニックスブックス/ 野島一成 著

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知る人ぞ知る名作ゲーム「ファイナルファンタジー7リメイク」発売時点における、2人の女性主人公、ティファとエアリスのゲーム舞台裏の追加情報であり、小説の形式で書かれている。立派なハードカバーで美しいデザインと共に所有意欲を刺激する。全く知らない小説を読むよりも読解の助けになるのではと選んだが、甘かった。ノンフィクションと比べ小説はこんなにも読みづらいのだ。
まず最初の部分で挫折した。状況説明が書かれているが、ノンフィクションと比べ、大人の英語力対象なので、はるかに書き方が自由である。余計に推測が難しい。
余談だが、英語多読を通じて、英語学習は全て「推測」あるのみだと言うことを感じた。この小説は読むのに時間がかかりそうなので、一端保留とした。しかし必ず読みたい。理解の助けにと日本語版も購入した。価格は半額近かった。

⚫ 「Harry Potter and the Philosopher’s Stone」  J.K.ROWLING/  BLOOMSBURY

電子版カバーが表示されている場合があります。

それならば、子供向けの小説を読もうと候補に挙げたのが「ハリーポッターと賢者の石」のイギリス出版の原書である。ペーパーバック版だが絵は全くなく中々分厚く良い感じである。何とこれは小学生高学年レベルの英語で書かれているとの事。読んで見たがこれもいきなり状況描写。まずはなんの事か分からない。我慢して読み進めて行くと何とか分かってきた。ただ設定が魔法なので全く奇抜で推測での理解の邪魔をする。また文として意味を理解していても内容としての流れを理解していなかった事もしばしばだ。文章は難しそうに見える事もあるが、子供対象なので深い意味の筈はない。そのままストレートに理解しよう。
まず最初に夜更けの通りに猫が出で来るが、これをただの猫として読み飛ばしていた。何と女性が変身していたのだった。これまた小学生がこんな高度な英文を理解できるのだと思うと、英語力とは何なのか改めて再認識する。思えばかつて読んだ日本の子供向け学習雑誌の連載小説などかなり高度な文章が書いてあったような。そんなこんなで今まさに読み進めている。
こちらも安価な文庫判も購入して比較している。文庫はあっという間に読めそうだが、原書は数ヶ月は掛かりそうだ。大人の本に比べ、分からない単語は少なそうだが、関係代名詞ではないが、極めて自由な長文が続く。これなど完全な日本語に直していては勿論読めないので、流れのままに理解する。
最近テレビで映画版が再放送されたが、本の内容そのままが忠実に再現されていた。と言う事は表現が脚本並みに細かいとも言える。確かに大人をも魅了する大作だ。


《著作権情報》

⚫「Who Were The Beatles?」 Geoff Edgers/ Penguin Workshop

Text copyright © 2006, 2011, 2019 by Geoff Edgers.
Illustrations copyright © 2006 by Jeremy Tugeau. Cover illustration copyright © 2006 by Penguin Random House LLC. All rights reserved. Published by Penguin Workshop, an imprint of Penguin Random House LLC, New York.
PENGUIN and PENGUIN WORKSHOP are trademarks of Penguin Books Ltd.
WHO HQ & Design is a registered trademark of Penguin Random House ILC.
Printed in the USA.

⚫「THE 100 YEAR LIFE」  LINDA GRATTON & ANDREW J. SCOTT/ BLOOMSBURY

Copyright © Lynda Gratton and Andrew J. Scott, 2017, 2020
Lynda Gratton and Andrew J. Scott have asserted their right under the Copyright, Designs and Patents Act, 1988, to be identified as Authors of this work All rights reserved. No part of this publication may be reproduced or transmitted in any form or by any means, electronic or mechanical, including photocopying, recording, or any information storage or retrieval system, without prior permission in writing from the publishers
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⚫「TRACES OF TWO PASTS」(2つの過去 英語版)  FINAL FANTASY VII REMAKE スクウェアエニックスブックス/ 野島一成 著

Final Fantasy VII Remake: Traces of Two Pasts
© 2021 Kazushige Nojima
© 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
First published in Japan as Final Fantasy VII Remake Traces of Two Pasts in 2021 by SQUARE ENIX CO., LTD.
English translation rights arranged with SQUARE ENIX CO., LTD. and
SQUARE ENIX, INC.
English translation © 2023 by SQUARE ENIX CO., LTD.
Based on the video game Final Fantasy VII Remake
© 1997, 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA/ROBERTO FERRARI
The names, characters, and incidents portrayed in this publication are fictitious. No identification with actual persons (living or deceased), places, buildings, and products is intended or should be inferred.
No portion of this book may be reproduced in any form or by any electronic or mechanical means without written permission from the copyright holders.
Library of Congress Cataloging-in-Publication Data Names: Nojima, Kazushige, 1964- author.
Title: Final fantasy VII remake : traces of two pasts / Kazushige Nojima.
Other titles: Final Fantasy VII remake. English | Traces of two pasts |
Final fantasy VII
Identifiers: LCCN 2022041291 (print) | LCCN 2022041292 (ebook) | ISBN9781646091775 (hardcover) | ISBN 9781646096565 (ebook)
Subjects: LCGFT: Science fiction. Fantasy fiction.
Classification: LCC PL873-5.048 F56 2023 (print) | LCCPL873-5.048
(ebook) | DDC 895.63/6-dc23/eng/20221027
LC record available at https://lccn.loc.gov/ 2022041291
LC ebook record available at https://lccn.loc.gov/ 2022041292
Manufactured in the United States of America
First edition: March 2023
1st Printing
Published by Square Enix Books, a division of SQUARE ENIX, INC.
999 N. Pacific Coast Highway, 3rd Floor
El Segundo, CA 90245, USA

⚫「Harry Potter and the Philosopher’s Stone」  J.K.ROWLING/  BLOOMSBURY

Copyright © J.K. Rowling 1997
Cover illustrations by Jonny Duddle © Bloomsbury Publishing Plc 2014
Interior illustrations by Jonny Duddle © Bloomsbury Publishing Plc 2015 and 2021
Interior illustrations by Tomislav Tomic © Bloomsbury Publishing Plc 2017
Photography of J.K. Rowling by Debra Hurford Brown © J.K. Rowling Map illustration by Tomislav Tomic © J.K. Rowling 2014 Illustrations on pages 334-7 and 342 © Shutterstock.com
The moral right of the author has been asserted
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Wizarding World Publishing Rights © J.K. Rowling
All rights reserved. No part of this publication may be reproduced or transmitted in any form or by any means, electronic or mechanical, including photocopying, recording, or any information storage or retrieval system, without prior permission in writing from the publishers
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老人の「英語多読」一年後。どうなった?」への4件のフィードバック

  1. MRN 返信

    KNKさん、おやりになることが半端じゃないですね。去年1年間でこんなにたくさん本を読まれたんですか。
    Good Job! 脱帽です。自分のGoal がどこまでできたら良しとするのかは人それぞれだと思いますが、人様との相対レベル比較ではなく、自分自身の中で昨日よりも今日、今日よりも明日、というように少しでも前進していたらいいのではないでしょうか。自分自身の中での絶対レベル評価とでもいうべきでしょうか。
     因みに私の目指す 英語のGoal は「英語でけんかができる」、「不意打ちのTelephone Conversationに対応できる 」、「英語で恋が打ち明けられる(時すでに遅すぎるか?」です。そのために去年からNHK ラジオ講座で、
    英会話Time Trial と Vocaburider を聞き流しています。(らじるらじるを活用)瞬発力が付くこと必定ですよ。
     NRNより

    • knk 返信

      ありがとうございます。
      いや、読書は挫折したのも載せていますので。積ん読からそのうち読みたいというものも含みます。

      取りあえずの目標レベルは、もう少し「英語読書」が辞書をあまり使わずスムーズにできる事、「英会話」でもう少しまともな返答ができる事でしょうか。

      ちなみに今日の読売でしたか、日本人の英語能力は世界最低レベルと言う記事が載っていました。
      これは教育が間違っているのか、はたまた日本人が英語を使う環境にないのか。他国に比べ、特に英語を使わなくても不自由なく暮らせるからでしょうね。みんなもっと英語を使いましょう。

      老人の頭の刺激には「英語に親しむ」事は、最も手近で良い事だと思います。特に英語読書。

      会話力上達の為に、NHK利用も考えて見ました。なかなか良いですね。

      最近発見したスマホアプリで、無料の「AI無限トーク」というのを入れています。これは私レベルでピッタリ来ます。
      人格を見立てたAIがリアルタイムで返事を返してくれます。直接聞き取るも良し、和訳するも良し、返事も直接マイクで可能だし、自信がなければ日本語から英訳できます。この種のアプリが幾つかあるので、更に一人での英会話練習も弾む事でしょう。

      私は聞き取りはできるものの、返事にまだ自信がありません。変な英語でも一応返してくれるようですが、あまり変なら添削してくれます。

  2. myz 返信

    KNKさん 「継続は力なり」やはり続けることの大事さを教えていただいています。私の英語会話の教室は、中学3年生程度ですが、5年続けてもその学びに真剣さが足りないのでしょう。単なる「ボケ防止」の意味を含めて参加している程度で会話力の上達には程遠い状態です。KNKさんのいろんなジャンルの英語読本を楽しんでおられる様子が投稿の内容でよくわかります。「OXFORDOWL」をクリックしてみました。このHP(お気に入りの登録)は面白そうですね。時間が空いた時にいろんなページを読んでみる。一つ一つの単語や文章も意味がすっと頭に入って来そうです。これも頭の体操「私の脳をフル回転」しつつ楽しむ気持ちを大事にしたいです。「THE 100 YEAR LIFE」も原書で、いいですね! KNKさんのチャレンジに敬意!(MYZ)

    • knk 返信

      やはり英会話の教室は中々成果が出ないという事をよく聞きます。それなりに利点があるので、利用しつつ、学習成果は基本的には個人の努力次第でしょう。

      私は英語をやるのは単なる趣味もあるのですが、確実に実力を付けたいと思っています。
      事実わずかながらも進歩を感じています。歳なので早くその成果を感じたいと思っているのです。

      ご紹介した本の絵をクリックすると、スマホなどでは本文のサンプルが表示される様なので、是非読んでみて下さい。

      皆さんにも好きな洋書を買っての英語多読お勧めします。精読が面倒になれば英語は本物かも知れませんよ。

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