会員による新規出版「臨床心理学教室のパンプキンさん」のご紹介

「臨床心理学教室のパンプキンさん」

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「臨床心理学教室のパンプキンさん」「薄井洋基」
ISBN 978-4-88877-275-4

書籍について

自分のこころと向き合い、前向きに生きたいすべての人へ

「パンプキン」こと阿部夏帆は、困っている人の役に立ちたいと心理学を学ぶ大学生。4年生となり公認心理師になる道を 選んだ夏帆は、希望のゼミにも入ることができて、ますます勉強に力が入ります。今日の授業は臨床心理学。そこで個別カウンセリングのレポートを書く課題が出されました。誰にインタビューするか悩む夏帆でしたが、お母さんのすすめで神戸のおじいちゃんに相手をしてもらうことにしました。身体に障害があることは知っていましたが、実際に会って聞いた話は、あらためて 夏帆に人の心の強さを教えるのでしたいじめや不登校、ひきこもりなど現代社会の中にある問題と向きあい、「生きる力」を 感じながら成長する「パンプキン」さんの、生と死と再生の物語。

出版担当者からのコメント

物語の主人公パンプキンさんは、人生の先輩であるおじいちゃんとの対話や大切な人の死を通して、この世界で生きることの意味を考えます。将来への不安や過去のトラウマから心に痛みを抱える人も多い今だからこそ、 現代を生きるすべての人に 読んでほしい一冊です。

著者について

薄井さんは化学工学を研究し、山口大学・神戸大学で活躍してこられました。またスパコンの「京」の神戸誘致に尽力されました。宇部市とも深い関わりにある方です。

研究の傍ら、科学と宗教、生と死のテーマを考察・探求して来られ、関連の書物も出版されています。最近では臨床心理学にも深く関心をお持ちで、精神科とはまた別のアプローチで、死の恐怖や心の痛みを抱えた人々へ救いの手を差し伸べられています。

現在は神戸大学名誉教授。

(著者についてはサイト管理者記)

著者からのコメント

「運命に直面する人に暖かい光を届けたい」

私は今年、喜寿を迎えました。
体力の衰えは否めませんが、これまで歩んできた人生を振り返って、自分の精神がしっかりしている間に、人々に「伝えたい」あるいは「遺したい」ことを言葉にして著作に励もうとしています。

ある人が私に次のように問いかけました。
「どうして本を執筆しようとするのですか?その動機は?」
私は次のように答えました。
「語りかけたい対象の人を念頭において、自分の考えを整理して言葉にするプロセスは楽しいものです。更に執筆することは私自身の考えを再確認して、日々の生活に流されやすい自分に、書いた事柄に関連する事象を目にする度に思い起こさせると言う利点があります。私の生きる過程で著述した内容と類似の経験に、何度も遭遇する度にその重要性を再認識して心に刻んでいくのです。」
今日も我が家の庭に咲く深紅の薔薇が、11月後半の夕日に照らされて輝いて見えます。この光景を見ると「残照への往還」に描いた西方浄土の世界から一瞬の内に現世の薔薇の姿に往還すると言う感覚をとらえることが出来ます。このような経験は著作の世界で深く脳裏に刻み込むことによって、この世の情景が整う度に再経験することが出来るようになるのです。

語りかけたい人々の三つのカテゴリー

第1のカテゴリー

大学の教員として40年間を過ごしましたが、年毎に新しい学生・大学院生が研究室に来て、1年後あるいは3年後に社会に旅立って行きました。最初は、年齢差がなく兄弟のように接していましたが、その内に親子のような関係になり、最後は孫のような年齢差になってしまいました。初期の卒業生は60歳代後半から70歳台になっています。これらの教え子たちに私のこれまでの経験と現在の集大成した考えを伝えたいと言うのが第1のカテゴリーの人たちです。私の教え子に限らず、いわゆる団塊の世代やもう少し若い人たちで、自分の命の行き着く先を思い悩む人々に、ささやかでも一条の光が射すようにと願って執筆したのが「残照への往還」です。

団塊の世代について:日本人の無宗教は困ったもので、多くの人が死に直面するとどう対処したら良いのか分からないままに死を迎えるケースが多いです。物理学に支配される物質世界をそのままにとらえると、死ぬことはその人が消滅することであり、死の恐怖を克服することが出来ません。宗教は仏教でもキリスト教など一神教でも、本当に信じた人には救済になるかもしれませんが、現在の日本の仏教教団を始めとして、宗教は広く人々を救済するようにはなっていないと思います。私は、自然科学の世界観を基本にして、自分の心の中でこの世界をどう捉えると、心の救いが得られるのかを伝えたいと思いました。
「死に対する心の準備をしようとした時に、私たちが存在しているこの世界をどのように認識するかが、根本的な重要事項です。」

上記の内容は「残照への往還」として、次節に述べる「黒潮消失から始まる日々」の第1部として出版しました。(2022年4月出版)「書籍版は現在絶版となっており、著者の手元に若干の保管本があります。ご希望の方は著者宛に直接メールしていただければ、注文された方に¥1,180(郵送料込み)でお届けします。著者連絡先:hiro-usui@mtj.biglobe.ne.jp

第2のカテゴリー

現在40歳~50歳台の人たちは自分の生活に精一杯で余裕が感じられません。それでも地球環境の行く末を案じて、私たちの住む地球を持続型の世界に持って行こうとする努力を続けている人は多いと思います。ただし、日本人の良いところでもあり悪いところでもあるのですが、日本の社会環境にどっぷりとつかって、世界諸国の向かっている方向には鈍感なところがあることは常々気になっているところです。SDGsが良いとなれば、誰でもSDGs大いに賛成、TVのコマーシャルでもSDGsを唱っておけばそれで良しとする風潮は大いに問題だと思っています。気候変動や地球温暖化については、現在までのデータや、ここ数年間の未来予測は確度が高いと思われますが、今後数十年~100年程度の未来予測は何処まで信じてよいのか疑問に思う部分が多々あります。私たちエネルギー関連の研究者に、地球温暖化がどうやら本物らしいと言う情報が伝わったのは1980年代初頭のことでした。当時30歳台半ばであった私もエネルギー特別研究のチームの一員として、日本学術会議の大講堂に参集した全国の研究者と一緒に、この話を聞きました。当時は1950年代からハワイにおいて観測が続けられてきた炭酸ガス濃度が上昇の一途をたどっている(当時で約340ppm、現在は410ppmまで上昇)ことが確かなデータであり、温室ガス効果によって地球全体の気候変動が引き起こされるであろうとの議論がありました。その後、日本においては海洋研究開発機構(JAMSTEC)に設置されたスーパーコンピュータ「地球シミュレーター」(第1期のスパコンは2002年~2009年、その後高性能機にリプレイスが続けられている)によって今後100年程度の地球環境の変化の予測が発表され、社会に大きいインパクトを与えました。また、2006年にアメリカの副大統領 アル・ゴア氏出演による「不都合な真実(An Inconvenient Truth)(パラマウント・ピクチャーズ配給)が上演され、大きい警鐘を鳴らしました。また、2021年には地球温暖化予測におけるスーパーコンピュータの活用に関して真鍋叔郎氏がノーベル物理学賞を受賞されたことも記憶に新しいところです。これまでの多数の研究者の努力によって、2100年程度までの気候変動未来予測は、ほぼ信頼のおけるものと思われており、それをベースにしてカーボンニュートラルなどのシナリオと施策の提案などが実施されているところです。ところで、地球の気候変動の予測は、本当にどうなるのかは誰もわかっていません。これまでのデータの延長と、計算科学による未来予測から近い将来、地球温暖化が厳しい状況になるであろうと予測して、多くの不安を掻き立てる情報が出回ります。温暖化については、スパコンで解いている基礎式の非線形性、モデルの不完全さ、地球全体の気候変動の安定解の揺れ、などに加えて人口増加や人間の経済活動の未来などが、どの時点でカタストロフィー現象を引き起こすのか誰もわかっていません。一つの警鐘として、「黒潮消失から始まる日々」においては、案外近い将来において深海流の流れのパターンが劇的に変化して、一足飛びに氷河期が来襲するというシナリオに基づいて、その時期に遭遇する私たちの孫や曾孫の世代が、どう生きて行くのかと言う物語を描きました。地球環境は或るしきい値(スレッショールド レベル)を超えると、元に戻ることなく新しい状態(氷河期)に移行すると考えられるわけです。このような状態において究極的には人との絆、お互いに助け合い愛し合う生活を送ることが救いになるという基本姿勢を強調した物語です。

上記の内容は「黒潮消失から始まる日々」の第2部として出版しました。また、改題して電子書籍版としてアマゾンから「明日への道標」として出版しました。(2023年7月出版 価格は¥500)なお、書籍版は現在絶版となっており、著者の手元に若干の保管本があります。ご希望の方は著者宛に直接メールしていただければ、注文された方に¥1,180(郵送料込み)でお届けします。著者連絡先:hiro-usui@mtj.biglobe.ne.jp

第3のカテゴリー

臨床心理学教室のパンプキンさん — こころに痛みを持つ人の自己治癒能力と生きる力の再生について」のコメント

小学生や中学生は、個人的な状況によってタイミングは異なりますが、そろそろ自分の将来像を描いて、進むべき方向を考えようとする時期がやってきます。勉強をしなさいと口うるさく言う親の現状を見ながら自分はどうしようかと考えるのです。また、勉強に興味を持てない子どもは、「どうせ学校の勉強は自分が大人になったら何の役にも立たないから、勉強する気にならない」と思って、怠け者になってしまいます。でもそのような考えは間違っています。小中高校で教えられる内容は、人の一生にとってとっても大切なことです。ここで怠けるか、一念発起して勉強に集中するかは、その子供の将来の方向性を決める重要な瀬戸際になっているのです。そして、最終的には人間力をどこまで高められるかの分かれ道になるのです。
精神的な資質に問題がある子どもは別にして、ほとんどのケースは、根本的には親が自分の子どもをしっかりと「躾、教育」をしてこなかったことにあると思います。「両親が子どもの教育に対して真剣に向き合って、愛し合う両親の信頼関係を子供に見せる環境を築くことが大切です。
既にひきこもりや不登校になった子供や若者、また結婚しない若者(中年になっている人も多い)を、良い方向に持って行くためには、適切な臨床心理師、医師、看護あるいは介護者などのチームがクライアントに接していくことが必要と思います。このアクションは未だに労多く、結果が得られ難い分野です。今後の努力が必要でしょう。私は現在、喜寿を迎え、身体能力の制限のため現場での取り組みに参加し難い状況です。今後は、人数は少なくても身体障害者のこころにあるトラウマの自己治癒の手助けをしていきたいと願っています。

私の生きることの基本姿勢

人の世に生きて行く上で、最も大切なことは「人に良くしてあげる」と言うことです。家族や、大学時代の研究室の教え子たち、研究者の仲間たち、事務方の人々、友人たち、社会的な繋がりのある人々など、全ての人たちが幸せになるように願って接してきました。
その中から真摯な態度で教えて行くこと、真に「教育は愛である」と自覚しています。
人生の最期のステージに差し掛かっている今日この頃、会える人には積極的に会い、著書を通じても多くの人にメッセージを贈り、健康の続く限り明るく元気に人々とかかわって行くことを基本姿勢としています。
人生の転換点に立つ時は、果敢に新しいステージに飛び込んでいくことです。京都大学で博士論文を完成した後、アカデミックな仕事なら全国の大学の何処でもいいと思い、山口大学に赴任しました。約20年間山口大学で頑張った後、神戸大学に異動することが決まりました。その際、山口大学の先輩教授から「お前は工学部の化学工学科を潰す気か」と言われましたが、私がいなくなっても一時的にはその学科の活力が落ちるにしても、何れ回復すると思って異動を強行しました。その後、神戸大学の工学部から大学の管理部門に移籍するときも、私がいなくなっても後は何とかなるものだと思っていました。同様に、神戸大学を退職して山口県に帰る時も、神戸の仕事を続けないかと言われても、ここが引き時と考え、大学の仕事からは一切、手を引きました。山口に帰っても子ども達の環境教育の立ち上げとその後の病気による退任、執筆業への転換、臨床心理学への傾注など、どんどん変わって行きながら新しい取り組みを始めています。決して老害と言われることの無いように、どんどん変わって行きながら人々のために、意見を発信していきたいと考えています。

会員による新規出版「臨床心理学教室のパンプキンさん」のご紹介」への2件のフィードバック

  1. MRN 返信

    USIさん  
     お世話になります。すでに個人的にコメント送っていますので、改めてここへ投稿すべきか迷いましたが、関心がおありの方に少しでも参考になればと思い投稿することにしました。恥かしい限りですが以下ご笑読いただければ幸いです。
     
     あとがきに書かれていますようにバレーボールをされている中学生のお孫さんの将来を想定されてご自身の豊富な経験をもとに虚実織り交ぜて執筆されたとのこと、興味深く読ませていただきました。
    特に今回は宇部市小野地区や宇部フロンテイア大学、藤山地区など、それに神戸の具体的な地名が出て来て身近な話として親しみが持てました。
     主人公パンプキンさん(阿部夏帆さん)が希望して入った心理学教室の先生から課せられたカウンセリング実習のインタビュ―の対象者(実験台)として阿部セイさんが登場するという設定でご自身の経験や信条を紹介されるストーリーの構成はさすがと思いました。
     不幸にしてもって生まれた障害を克服されるための幼小中高時代の艱難辛苦の想い出を自暴自棄に落ちることなく冷静に述懐されておられるところには脱帽です。それにしても幼い頃のことを正確に順序だててよく覚えておられますね。感心しています。
     小学生の時登校がままならなった時期には友達に頼んで学校にある本を殆ど読まれたとのこと、また家の近くの池での母子の溺死事件を目撃されたこと(さぞかしその後トラウマになったのでは)、ご母堂の、わが子の手術成功を祈る姿から宗教に接する機会があったこと、体育の時間に運動がままならぬ事情から校庭の片隅で仲間が運動に興ずる姿の見学を余儀なくされたことなど、感慨深いです。
     大学受験勉強のこと、院生時代のミドリさんとのロマンスのこと、などには前向きな姿勢、優れた集中力、自己肯定感がうかがえます。日頃言われている結婚観、人口減少問題なども、生まれてこの方歩んで来た過程で培われ到達したお考えなのでしょう。
     物語後半、パンプキンさんに、将来公認心理士としての専門の知識以外に宇宙観、死生観、哲学、宗教、人間愛、などの必要性を説かれています。これらは我々自身に向けても言われていることと受け止めています。
     
     結びに私には「死後の世界をどう考えるのか(位相変換をするごとく時空を超えて宇宙の果てに飛び、極楽浄土で現世の人々の平和と安寧を祈る)」、「無宗教では世界に通用しない(心の拠りどころをもって死を迎えるべき)」との考えはあまりありませんでした。このメッセージは一幅の仏画(狩野芳崖の)を見ているようでもあり、残りの人生の方向としてとり入れていきたいと思った次第です。

     有難うございました。これからも理系人間の限界である唯物至上主義を超越した宗教や哲学などの提言 よろしくお願いいたします。

  2. myz 返信

    USIさんへ
    早速、アマゾンでKidleで購入、拝読いたしました。「いやー!」これだけの力作を創作された方とお付き合いできること本当に素晴らしいことだと思いました。ありがとうございました。書評は、アマゾンのコメント欄に投稿しました。私は、社会人となって3年余り続いた母との「往復書簡」を思い出しました。特に現在の世相を考えますと、老若男女にすべてに当てはまること。心したいです。感謝 
                                                  MYZより

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