この年齢(77歳)で振り返る「同期会」「同窓会」の意味

令和5(2023)年6月28日

 この6月に同期会(銀行 OB・大阪)と同窓会(大学学部 OB・宇部)の行事に続けて参加した。いずれも、アフターコロナということで、4年ぶりの開催であった。

 この度のイベントに参加してみて、この年齢まで機会があれば常に参加してきた銀行や大学の「同期会」「同窓会」は、私の人生にとって果たしてどのような意味をもたらしてくれたのだろうか?と振り返ってみた。

 私が同窓会を心して最初に意識したのは、社会人となってからと記憶する。私の最初の勤務地は大阪だった。そのことは、地元(山口)の大学を卒業して初めての大都会での生活がスタートしたことを意味していた。

銀行OB 近畿地区同期会「がんこ」2023.6.9 前列右端
大学OB同窓会 ANAクラウンズホテル 2023.6.17 中央

 そんな中で「同郷の人恋し」との思いが募ってきたこともあったのだろう。同じ学び舎で学んできた先輩や同期生に会い、社会人としての「心構え」を聴き、これから経験するだろう社会人としての「苦楽」を語りあう、ある意味、私にとって「癒し」の場をそこに求めていたのではないかと、今は思う。

 往時は、社会人としての「イロハ」も知らないこともあり、先輩から「よく来たね!」「今はどんな仕事をしているの?」との声を掛けられることに「喜び」や「安心感」を覚え、「君のやっている仕事は、これから伸びるよ。一生懸命、頑張りなさい」と励まされ、「君の銀行には、こういう立派な先輩もおられるよ」との情報も、同じ学び舎で学んできたというだけで、先輩とすぐに打ち解けて会話をすることができる。

 先輩も私の吐露(大学時代のゼミやサークルの話、そして仕事への希望と不安)に優しく応えてくれた。

 ところが、中堅(30~40 歳代)になると、先輩に甘えてばかりではいけない、この同窓会のお世話もしなければいけない立場にもなる。多くの後輩たちがこの同窓会に加入してくる。また、同期生にもより多く同窓会参加を呼びかけなければならない。参加する皆さんにとってよかったと思ってもらえる同窓会とは、ただ単に、あの先輩、同期生、後輩に会いたいからという目的だけでいいのだろうか?私たち同期生の中でも様々な問題提起があったと記憶している。

 私は、十数年後に東京勤務となり、大学同窓会の東京支部での学年幹事をやることになった。関東地区近辺に在住の同期生に「同期会」開催を呼びかけ、まず同期生の結束に力を注いだ。関東地区勤務の同期生は比較的多く、最初の会合は、私の勤務している保養所で開催した。20人ぐらいは集まっただろうか?卒業してから初めて会う、やはりお互いに「懐かしさ」が蘇り、一気に学生時代に回帰した気分を味わった。

 これが個々の人生の中で同期会を開催する意味を最初に感じるものなのだろう。「青春時代に一瞬で戻れる懐かしさ」に魅せられて、みんな集っていたのではないかと、今はでは思う。

 さて、この「同期会」が続くかどうかは、幹事となる世話人の役割は大きいと思う。私は、その役割が嫌いな方ではなかった。「集まってよかった!」「ありがとう!」と言われる言葉が自分の心に心地よく響いていた。これが続けてきた唯一の理由かもしれない。

 一方、銀行の同期入行の「同期会」にも参加した。やはり、現役時代の「同期会」は、正直、それぞれに出世競争もあり会話する同期生にも偏りがあり難しい一面もあった。しかし、周年行事には必ず参加するようにした。私は、60歳前に銀行を退職し山口の宇部にUターンした。それでも、東京や大阪にいる同期生幹事からは、毎年6月に開催する「同期会」のご案内を頂いた。田舎に帰ると、都会の雰囲気に触れて、みんなと話してみたい。華やいだ賑やかなその地にもう一度足を踏み入れてみたいと、懐かしさがこみあげてくるものがあるのだろう。家内との旅行を兼ねて、大阪、東京の「同期会」には数回参加した。もちろん、周年行事(45 周年は金沢、50 周年は京都)は、それぞれの地で旅を満喫しながら、同期生との「懐かしい会話」を楽しんだ。

 ところで私は、「同期会」は横糸、「同窓会」は縦糸、だと思う。そんな理由からか、なんとなく、中島みゆきの「糸」の歌詞を思い出す。

 「縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かを 暖めるかもしれない」「織りなす糸は いつか誰かの傷をかばうかもしれない」「逢うべき糸に 出会えることを 人は幸せとよびます」

 この歌詞の意味するところとは若干異なるかもしれないが、私は、同期会(横糸)があって、同窓会(縦糸)とで織りなす姿が理想形ではないかと、勝手に思っている。「暖かくて、苦楽を分かちあって、そして幸せを感じる」

 そうだよね。「同期会」「同窓会」は、人の繋がりを作る原点になっていたのかもしれない。この年齢になり人生の意味を問い続けているが、そのテーマの答えの一つが、この「同期会」「同窓会」にあったのではないかと、今は思える。

 そして、この年齢になっていつまで続けられるかわからないが、その大切な意味は常に心の片隅に置きつつ、世代交代を感じながらも「同窓会」には、体が許す限り参加しそれを問い続けることにしよう。(完)

MYZ(AYSA西部部会会員)

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